2010年度 国際フィールドワーク日本企業の国際化と「内向き」な若者ー「内向き」をどう克服するのかー■准教授 井内尚樹
1)日本企業の国際化
「日経新聞」などを読むと、「ユニクロが外国人採用を拡大する」、「楽天が2011年は国内新卒採用450~500人のうち、70人程度を外国人雇用、現地採用枠はインド、中国で合計70~100人の採用予定」となっています。ローソンでも2011年の採用は60人中20人が外国人です。パナソニックでも、大規模な外国人採用に動いています。日本企業は事業活動で海外を重点化しつつあり、国際的な人材を求めていることです。
2)「内向き」な若者
企業は国際化を進めていますが、日本の若者は「内向き」を示しています。産能大が調べで、『今年度の新入社員の内、海外で「働きたいとは思わない」は49%で、新入社員の2人に1人は海外で働きたいとは思っていない』ことがわかりました。アメリカのハーバード大学の学長は、「今年の1年生で日本人は1人だけで、中国、韓国からの留学生が増加するなか、日本人留学生の減少は問題だと」鳩山前首相に強調したようです。
3)「内向き」学生の転換を目指して
国際フィールドワーク(フランス)では、この「内向き」学生の転換を目指しています。去年はアルザスにあるTHK、メニコンの工場を」訪問し、「海外展開している日本企業のなかで、活躍する日本人スタッフ」と直接コミュニケーションを行いました。メニコンのスタッフは名城大学の卒業生でした。パリジェトロでも、愛知出身のスタッフからフランス経済についてのレクチャーを受けました。
フランス自動車メーカーのプジョー工場(ソショー)を訪問し、日本の自動車メーカーとの組立ラインの違いを調査しました。工場の入り口で、労働組合がトヨタの「カンバンシステム」を拒否するパネルの展示には、びっくりしました。
そして、ストラスブール大学の学生との交流では、フランスの学生が日本のことをよく知っているのに、学生は驚いていました。(日本語学科の学生は、日本に興味を持ち、日本に半年、1年も滞在していました。)
東海地域は「豊かで住みやすい」場所だと言われます。海外に出なくても、不自由はないかもしれません。これから先の「就職状況」だけを考えてみても、学生時代に海外を経験することは、マイナスにはならないと思います。各種支援策を利用すれば、費用はそんなに高くありません。ぜひ、学生を海外に送りだしてみてください。