デイハイク 2014

経済学部では4月に新入生歓迎の「デイハイク」を開催しています。このイベントでは、中山道の馬籠から妻籠までの約8kmを新入生と教員が一緒になって歩きます。なぜここを歩くのか? 歩きながら親睦を深めるとともに、当地を歩くことが経済学のフィールドワーク“入門編”になるからです。かつて木曽川をくだり名古屋に来た木材が愛知の木工業を支え、それがやがて世界的な機械工業へと成長したこと、木曽川水系の水力発電の数々が、中部地域の電力システムの基礎となったこと—こうした歴史を予め集中講義で学び、デイハイクではそれらを体得します。自らの行動を通じて経済学の理論を実証するという研究の方法を実感した参加者のコメントを紹介します。
●8キロの道のりのゴール地点・妻籠にたどり着いた達成感、励まし合いながら長い時間を一緒に歩き仲良くなった友人、この2つをデイハイクで得ることができました。

●馬籠から妻籠へのアップダウンの激しい8キロを実際に歩いてみると、体育会系の私ですらとても長く感じました。山、畑、田んぼ、川…、美しい自然環境を守るために、自分ができることは何だろうかと考えながら歩きました。


●妻籠宿は、江戸時代の宿場の町並み保護のために「売らない・貸さない・壊さない」という3原則を作り景観を保存しているそうです。そこに住まわれている方々の熱意と意思統一の強さを感じました。


●妻籠宿は多くの外国人観光客で賑わっていました。地元のおばあちゃんが、流暢ではないけれども一生懸命に英語で対応している姿を見て、私も英語をしっかり勉強してコミュニケーションできるよう頑張らなければ…と思いました。


●妻籠に着いた瞬間、江戸時代にタイムスリップしたような感覚になりました。修復・復元された美しい町並みとともに、荷物預かりサービスや公衆トイレの美化など、外国人観光客にも気軽にハイキングを楽しんでもらえる工夫が随所に見受けられました。私の出身地も自然豊かな田舎です。地域の町おこしに活かせるものはないか考えてみたいです。


●橋の建築に携わっていた祖父から「木の大きさを合わせたり、湿度で変形しないようにする工夫など、木の吊り橋を造るのは難しい」と聞いていました。実際に目にした全長247メートルの日本最大級の木橋である桃介橋は、本当に素晴らしかった!


●どうして読書発電所という名前がつけられたのだろうか? 明治7年、予川(よがわ)、三留野(みどの)、柿其(かきぞれ)の3村合併の際に、それぞれの頭文字をとって「よ・み・か・き」としたそうです。読み書き算盤、当時の人の学びに対する強い思いをネーミングに感じました。


●地域の方々が作ってくださったとん汁とほお葉寿司のおいしかったこと! 地域の方々、サポート役のラグビー部員、吹奏楽部員、応援団ら先輩たち、多くの人のご協力を得てデイハイクが開催されていることを痛感し、感謝の気持ちでいっぱいになりました。