経済学部ニュース

●経済学部公開講座 グローバル経済を考える(1)「ロシア経済の現状」実施報告』
ロシア経済・ビジネスの現状と日本企業の戦略


■日 時:2016年7月21日(木)14:50〜16:20
■場 所:名城大学 天白キャンパス 共通講義棟北 N102
■講 師:Dr. Sergei Shaposhinikov モスクワ大学ビジネススクール Assosiate Professor

 

モスクワ大学ビジネススクール Assosiate Professor Dr. Sergei Shaposhinikov を迎え、経済学部公開講座「グローバル経済を考える(1)ロシア経済の現状」を開催しました。当日は、経済学部の学生、大学院生、教職員、120名が参加しました。


Sergei Shaposhinikov氏はロシアでPhD取得後、日本に10年以上滞在し広島大学で修士取得、その後、国連訓練調査研究所(UNITAR)、物流企業、コンサルタント会社での業務経験より、わかりやすくロシアと日本のビジネス関係についてお話しいただきました。英文資料をスクリーンに投影しながら講義は日本語で行われ、「ロシア(極東ロシア)は日本に一番近い国ですが遠い国という印象があります。そのうえ、日本ではマスコミが一定の情報しか流さないため、ロシア政治や経済制裁等のマイナスイメージが強いのかも知れません」という指摘から始まり、日本・ロシアの両方の学術・ビジネスを概観しつつ、ロシアに進出している日系企業の最近の動き、さらに急激なルーブル安・インフレ・市場の冷え込みにまで言及。


「2014年11月以降の原油価格急落を受けたルーブル安などにより物価が急上昇し、実質所得の下落が個人消費に悪影響をもたらしました。現在、在ロシア日系企業は約200社と少なく、うち製造業が20%です。日本・ロシア間の貿易をみると、日本からの輸出はほとんどが自動車関連で、ロシアからの輸入は石油、エネルギー関連が大半です。ロシアの輸出構造が依然として資源偏重になっています。ここ数年は経済の落ち込みやルーブルの大幅下落で事業環境は悪化しているものの、ロシアは投資環境の改善に取り組んでおり、ロシア人の教育レベルは高く、学問、芸術、スポーツ分野での多くのエリート層を育成しています。ことに若者の国際ビジネスへの関心は強く、文化的な違い(ビジネス慣習、レスポンスまでの時間、トップダウンの強さ、女性の社会進出の度合い)もヒントとしてとらえ、ぜひ、名城大学の学生の皆さんに国際ビジネスにチャレンジしてほしい」と、知的・文化的な立場から国際社会に貢献できるようなグローバル人材を育成する名城大学への期待を込めて、述べられました。



(担当:佐土井有里)