経済学部ニュース

●2022年2月1日 オンライン講演会
ハビタットひろば「ベトナムにおける国連ハビタットの活動: 若者と公共空間」受講報告

ハビタットひろば「ベトナムにおける国連ハビタットの活動: 若者と公共空間」
左: 2030アジェンダ(スライド: Youth in the 2030 Agenda, Habitat III)
右: 国連ハビタット 人間居住専門官 ラクスマン・ペレラ氏


2022年2月1日、国連ハビタット(UN-Habitat)・福岡県国際交流センター主催のオンライン・レクチャーに参加しました。今回の主題は、急速かつ広範な都市化が進展する「ベトナムにおける国連ハビタットの活動」です。講演者の国連ハビタット人間居住専門官ラクスマン・ペレラ氏からは、特に「若者の参画によるクリエイティブな公共空間の構築」について、関連事業の概要をうかがいました。

■「若者は、明日の世界だけでなく、今日の世界でもリーダーである」


市橋美空(経済学科 2年)

 

国連ハビタットは、1990年からベトナム政府と都市開発にともに取り組み、2007年にはベトナム事務所を開設しました。都市計画・都市経営、気候変動、廃棄物管理などの分野にて、様々なプロジェクトを展開しています。今回のレクチャーでは、2012年に開始された「グローバル・パブリック・スペース・プログラム」―世界中で185万人を対象に実施された参加型の公共空間整備事業―の解説に続き、ベトナムでの取り組みとして、同国の4分の1を占める若者が中心となって都市の未来を創るプロジェクトを紹介くださいました。

アートでより良い街づくりを目指す「タムタン壁画村」事業では、街の美化に加え、観光開発などを視野に家屋や塀に壁画が描かれ、小さな漁村が活力のある街に生まれ変わりました。また、「ハノイ公共空間づくりプロジェクト」では、若者とともに都市・公共空間の課題解決をはかるため、マインクラフトゲームを活用した新たなプラットフォームが構築されています。さらに、クリエイティブな若者たちのアイデアを社会や政策決定者とつなぐ試みとして「イラスト・コンテスト」なども開催されるなど、工夫の詰まった施策が次々と行われています。

具体的な事業例を拝聴するなかで、「都市の将来に何を期待するのか」、「自分の街がどうあって欲しいのか」など、自分たちが主体的に考え、若者のイノベイティブな着想や意見をベースにIT技術を活用し、専門家とのコラボレーションが展開されれば、無限大の力を生み出す可能性を感じました。日本においても、若者の参加を促すような仕組みや場を考え出し、より住みよい「クリエイティブな街」をともに創り出せないかと考えます。私自身も、これからの未来を担う一人の若者として、地球・地域社会の進路を常に思い描きながら、小さなことからでも社会に貢献できるよう、着実に力をつけていきたいと思いました。

「若者は単なる受益者ではなく、開発するためのパートナーであり、街の資産であり、実践的な変革をもたらすエージェントである」

これは、私が今回のオンライン・レクチャーにおいて、一番印象に残っている言葉です。ラクスマン・ペレラ氏のご講演にて若者がいかに期待されているのかを知り、公共政策の進め方に対する私自身の意識が大きく変わりました。


【大学ウェブサイト 関連リンク】
名城大学 学びのコミュニティ(2021年度)
E=mc2 for SDGs(Empowerment = movie×creative conception for Sustainable Development Goals)
自らの着想を映像で発信できる、「持続可能な開発目標」(SDGs)のための人づくり


(担当: 谷村光浩)