労働環境のさまざまな課題について、
解決に向けた取り組みが進められている。

経済学科 准教授 蓑輪 明子

時代の流れとともに労働環境も変化。

 この20年で日本の労働環境は大きく変化してきました。賃金水準は抑制され、派遣・契約社員などの不安定な雇用形態は増加、長時間労働は是正されずにいます。また、近年では少子高齢化の影響もあり、労働力不足も深刻になりつつあります。このようなさまざまな問題について、私の研究では、労働者の働き方の現状や企業の経営状況、政府の政策など、あらゆる角度から問題を見ていくことで、何が問題の原因となっているかを明確にし、それらの解決策を探っていきます。また、労働環境の現状を正確に把握するための方法についても研究しています。

待機児童問題を解決するには、保育士の労働環境改善が必要。

 2017年に愛知県内の保育所で働く保育士らを対象に大規模な労働実態調査を行いました。調査の結果、毎月平均約14時間も残業手当が支払われていないという経済的損失を被っていることが判明。さらに、8割近い人が自宅に仕事を持ち帰っているなど、保育士の厳しい労働環境が明らかになりました。また、適正に残業手当が支払われている人やちゃんと休み・休憩がとれている人は、そうでない人と比べて1割ほど就業継続意欲が高まることもわかりました。これらの結果を受けて、ある自治体では残業代をちゃんと支払うようにするなど、労働環境の改善に向けた取り組みがはじまりました。今回のケースのように、今後もよりよい働き方や暮らしを実現するためのきっかけとなるような研究に取り組んでいきたいと思っています。