第15回 FDフォーラム トピックス

 
第15回 FDフォーラムにおいて、
「ゼミナール レポートフェスティバル」についての
事例紹介を行いました。
経済学科4年 柴田 侑

 私が学んでいる経済学部には、レポートフェスティバルという行事があります。レポートフェスティバルとは、経済学部に所属するゼミが集まって研究発表を行うもので、発表内容は多種多様です。中には、クイズを作って出題するゼミもあるほどです。

 私は、大学2年生からゼミに所属させて頂いており、レポートフェスティバルへは過去2回、今年で3回目の参加となります。私のゼミでは、十数人のグループに分かれて、レポートフェスティバルの半年前から準備を始めます。このグループには、2年生から4年生までのゼミ生が混合で所属しています。そのため、大学2年生の時の初めてのレポートフェスティバルの際は、経済学の勉強はもちろんのこと、先輩からレジュメの書き方や資料の集め方など様々なことを学ぶことができました。もし分らないことがあっても、同じ班の先輩やゼミを担当してくださっている教授がフォローしてくれたり、解決するためのヒントを出してくれたりしました。その為、行き詰まってしまっても完全に立ち止まってしまうことなく、本番まで進めることが出来ました。

 レポートフェスティバルは、グループで自分達の関心がある議題に取り組むことが出来る数少ない機会の一つだと、私は思います。経済学部の講義は座学がほとんどで、私の場合は、学友と一緒に講義を受け、一人で試験勉強をして期末考査を受けるという状態が常でした。しかし、レポートフェスティバルの準備過程で多くの人と意見交換を行っていくことで学問的視野が広がり、今まで考えもしなかったことなど様々な事柄の関連性に気付くことが出来ました。また、グループで共同作業を行いながら進めて行く為、協調性や当事者意識等について考えることができ、今まで気が付かなかったゼミ生の一面や「自分に足りないもの」に気付く良いきっかけにもなりました。

 正直、議論に息詰まったり、思うように進めて行くことが出来なかったりと、大変だったことも多々ありました。ゼミの時間だけでは足りず、時間外に自主的に集まって話し合いを行ったり、他の講義でテストにも出ないような小耳に挟んだ単語をノートにメモしておき、家に帰ってから調べてゼミに持っていくということも珍しくありませんでした。しかし、そのような経験のおかげで、少しは成長することができたと自分では思っています。

 私は3年生の時、「なぜドルは基軸通貨として働き続けているのか」という議題でレポートフェスティバルに参加致しました。その過程で一番頭を悩ませたのは、「ドルの信用」についてでした。しかし、しっかりとした答えを出すことは出来ず、この事柄は一年経過した今でも心残りであり、未だに考え続けています。

 そして、大変だったことが多かった分、面白かったことも多かったです。レポートフェスティバルは、スクリーンにスライドを映し出して研究発表を行います。この発表に使うスライド資料の作成は、どのように整理すれば分かり易く伝わるのかを考えなければなりませんでしたが、個人的に面白い作業でした。また、グループで集まって話し合いながら共に昼食を摂ったり、時折議論から脱線して談笑し、盛り上がったりもしました。

 私の後輩たちにとっても、レポートフェスティバルに掛ける時間が決して無駄な時間とはならず、むしろ、少しでも良い物を得たと思うことが出来る時間になれば幸いです。

 

トビラに戻ります。