学部長・学科長メッセージ

産業社会学科 学科長 岸川 富士夫


まだ見知らぬ若い君たちへ、心からのメッセージをさしあげます。

産業社会学科、それは時代にチャレンジするために生まれた学科です。時代の変化に深く切りこみ、課題をしっかりとつかみ、それを解決することができるような人間の知として、経済学を発展させる、このような思いがわたしたちの産業社会学科にはこめられています。

今、わたしたちの社会は、グローバリゼーションと情報コミュニケーション技術の進展のただなかで、さまざまな課題をつきつけられています。製造業を中心とする企業の海外移転とサービス経済化が進行し、若者をはじめ多くの人々の雇用の不安定化が生じています。地方の過疎化など地域社会の変貌も進んでいます。さらには、地球規模の環境とエネルギー問題もわたしたちに解決を迫っていますし、食料生産のあり方も問われています。産業社会学科は、このような現代的テーマに対して、経済学をとおして正面から向き合い、チャレンジする学科です。

わたしたちが産業社会学科にこめた思いを形にするために大切にしているものがあります。それは「人間が共に生きている場」、すなわち、「フィールド」です。この「人間が共に生きている場」に立ち、そこから経済と社会を見つめる時、経済と社会は今までとはちがって、生き生きとした姿をとってわたしたちの前に現れてきます。わたしたちは、この生き生きとした姿を強調したいと思い、それを産業社会という言葉で表現しています。ですから、わたしたちの産業社会学科とは、一言でいえば、「人間が共に生きている場」から経済学を学ぶ学科です。産業社会学科の「現代社会部門」には、現代という時代が提起する課題に取り組む専門科目がそろっています。そして、産業社会学科がなにより重視している「フィールドワーク」は、文字どおり、「人間が共に生きている場」で経済と社会を実感し、考察していこうとするものです。

産業社会学科で学ぶということ、それは主体的にチャレンジしていくということにほかなりません。そして、そこには新しい可能性が切り拓かれています。なぜなら、学びの出発点である「人間が共に生きている場」の「今とここ」からは無限の地平が広がっているからです。「今」はこれまでの「今」とこれからの「今」へと接続しています。「ここ」は無数の人々の「ここ」と結び合っています。このような「今とここ」を駆けめぐりつつ、君たち自身の「今とここ」へしっかりと目を向け、だれもが幸せになれる経済と社会について、豊かに構想できる人間になって下さい。その時にこそ、君たちは、ほんとうの意味での「社会人」、すなわち、「この人となら共に仕事をしたいと思われる人間」へ成長するでしょう。

まだ見知らぬ若い君たちが産業社会学科でわたしたちと共に学び成長していく君たちになることを、期待しています。